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5. 実機動力源システムの検討

 

5.1実機システムにおける要求条件

5.1.1まえがき
本事業「大深度長期高効率海中動力源システムの開発」では、大深度に適用可能な高圧燃焼排ガス液化排出型外燃横関動力源システムを開発すべく、主要構成要素の設計・試作を行った。ここでは、深度6500m級の長期行動型有人潜水船を対象とした実機用動力源システム及びこれを搭載した有人潜水船の要求条件を検討した。
5.1.2実機システム検討条件
実機動力源システムの検討に当たっては、これを搭載する潜水調査船のミッション及びオペレーション内容により、動力源システムの所要動力や規模等が大きく左右され、同時に潜水調査船の規模にも大きく影響を与える。
これより、動力源システムを搭載する長期行動型有人潜水船を想定し、以下の条件の下動力源システム及び潜水船規模等の検討を行う。
尚、想定ミッション及びオペレーションの設定に当たっては、同じ6500m級の有人潜水船である「しんかい6500」を参考に設定した。
(1)最大潜航深度:6500m
(2)乗員数二3名
(3)行動期間:7日
(4)想定ミッション:深度6500mにおける調査観測
(5)想定オペレーション:・出港から調査海域まで支援船による曳航
・調査海域到着後7日間の調査観測を実施
・7日間の調査行動については、以下を想定した。
潜航準備・回航準備:各0.5時間
潜航・浮上時間:各2.5時間
また、本事業で開発を行う海中動力源システムは、燃焼器内にて高圧燃焼した排ガスを冷却することにより排ガスを液化し、加圧しやすい状態に変えた上でポンプで海中に排出することにより、排ガスの海中排出に対する所要動力を大深度においても小さく押さえることが可能なシステムであり、本システムの基本検能構成は図5.1.1-1に示すものとなる。本事業では、図5.1.1-1に示す各要求機能を満足するシステムを検討する。

 

 

 

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